2013年5月28日火曜日
5/26(日)哲学カフェ ご報告
5/26に哲学カフェを開催しました。
今回は「喫茶店で暮らす人たち」という思考実験を取り上げ、
みんなで考える形式をとりました。
「喫茶店で暮らす人たち」の内容を簡単に説明するとこんな感じです。
ある喫茶店は、料理の味はそれほどでもないが、値段はとびきり安かった。
お客がその値段の秘密を聞いたところ、店主はこう答えた。
「うちの店では、アフリカ人を雇っている。
彼らには喫茶店の地下の貯蔵庫で寝泊まりしてもらい、
週休6日で5ポンドの給料で働いてもらっている。
だからこの値段が実現できるのだ。」
店主は、彼らはこの給料がないと生活できないし、
店にとっても利益が出るから誰も損していないという。
お客は今後もこの店に通うだろうか?
まずは、自分だったらこの店に通い続けるかどうか、について語り合いました。
通い続けない、という人の意見は非常に嫌悪感を覚えるからいかないというものや、
自分なら高くても別の店を選ぶというものでした。
通い続けるだろう、という人の意見は、このような搾取の構造は、
この店に限ったことではないし、
もう行かない、というのも偽善的な感じがする、というものでした。
そこからは、嫌悪感の正体はなんだろう、という話や、
現実にある労働問題の話が話題に上りました。
進行役の印象に残ったのは次のような意見です。
・近いところの搾取か、遠いところでの搾取か。
喫茶店の従業員の待遇が改善されても、
例えばコーヒー豆を安く仕入れるということで
店は利益を出そうとするだろう。そこにも搾取が生まれる。
・雇用者の立場にとってみれば、一度決めた給料は決して下げられない。
雇用者もまた厳しい判断を迫られている。
・搾取や、経済、労働といった観点以外から、この話を見ることも可能なのではないか。
テーマがテーマだけに、当日はここでは書ききれないぐらい
多くの内容が話し合われました。
喫茶店に関する話も多く出ましたが、
個人的に、喫茶店で喫茶店の話をする、というのも面白いなと思いました。
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